Episode 0 〜突然の怪我、束の間の安堵〜

怪我は突然に起こった。

 

 

ドリブルからのジャンプシュート。

 

着地時にバランスが取れないと思うと同時に転んでいた。

どこが痛いとかより、転んだ衝撃に驚いていたのが正直なところであったが、

たぶん膝を捻ったかなと感じた。

 

ゲームが中断して蹲ってる私にチームメイトが駆け寄ってきた。

 

「どこ?どうした?」

そう聞かれ

「膝が痛い」

 

そんな痛いわけではなかったが、気が動転して、

今思えばかなり大袈裟に言ったような気がする。

 

 

ベンチ脇で足をあげて冷やしながら呆然と再開したゲームを観ていた。

 

これまで膝を怪我したことなどなく、漠然とした不安に苛まれて、

ゲームを観ながら涙が止まらなかった。

 

 

ちょっとするともう痛みは全くなく、大袈裟に痛がりすぎたなあと恥ずかしくなった。

 

 

 

ゲームが終わり、心配そうに駆け寄ってくるチームメイトにもう大丈夫だと伝えたが、

膝は心配だからと車椅子で近くの整形外科に強制送還された。

 

30代くらいの医師が診察してくれた。

 

痛みがないのに診察されて恥ずかしい気持ちでいっぱいになっている私は、

「多分大丈夫だと思うんですけど念のため来ただけです。

 なんともないですよね?」

と聞いたが、

 

膝はMRIを撮らないとわからないと言われ近くの脳外科にMRIを撮りにいくことに。

 

バタバタと脳外科に行き、MRIを撮って、

データの入ったディスクとともに整形外科に再び戻ってきた。

痛みもないし、なんせこんだけの距離を自力で往復できるくらいには何ともないんだから大丈夫だろうと確信していた。

 

MRIのデータを見て医師は

「前十字のとこがよく写ってないけど、問題なさそうといった」

 

いやいやお金払ってるんだからちゃんと撮ってくれよと心の中で悪態つくながらも、問題ないと言われタコとに安堵し

 

「もう明日にでもスポーツできますかね?」

そうきいた。

 

一応様子見で1週間して痛みがなければスポーツ再開して良い。

そう言われた。

 

 

医者というものは長めの期間を伝えるもので、

1週間休めと言われる怪我=なんの問題もなくほんとなら今すぐにでもできる

というふうに認識している。

 

 

すぐに部活ができると知り、喜んだものの、

しばらくはスポーツをしつつも整体に行くなり、何らかのケアをするつもりでいた。

 

 

そこで自宅付近で良い整骨院または整体がないかと訪ねたが

良い回答は得られなかったため、

スポーツ関係の方に聞き、

膝だとここがいい、

と言われたところに月曜に改めて受診することに。

 

 

多分膝を動かさないほうが良いから数日は固定するようにと言われ、

 

一応これを持っていくようにとMRIのデータと紹介状を渡されてこの日は病院を出た。

 

 

 

この時なぜ整骨院や整体でなく再度整形外科に行くことを選択したのかはよく覚えていないが、この選択によってこの後事態がが大きく動くことをこの時の私はまだ知らなかった。

 

 

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Episode 1 〜突然知らされた事実〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前十字靭帯断裂からスポーツ復帰まで 〜はじめに〜

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スポーツをやっていれば怪我はつきものですが、

捻挫や突き指程度のちょっとした怪我しかしたことないと、

頭では分かっていても実感がない人も多いんじゃないかと思います。

 

私自身がそうで、

自分は怪我しない人なんて思ってました。

 

 

そんな入院、手術とは無縁の(自称)屈強な私が、

ひょんなことで前十字靭帯断裂、半月板損傷をして

そこからスポーツ復帰していく過程をお話をしていきたいと思います。

 

 

 

ジャンプするスポーツとは切っても切れないこの怪我。

1年近くスポーツから離れることを余儀なくされ、

怪我の事実を知った時は大きく落ち込みました。

 

それと同時に

私ならもっと早く復帰できるんじゃないか

などと考えては

現実を思い知って苦しんだり、、、と

感情の気分の上下も大きくとても苦労しました。

 

 

 

今は怪我も回復し、気持ちの整理もついて

復帰に向けて順調にトレーニングを行っています。

 

 

 

 

私と同じように

 

大きな怪我をして落ち込んでしまっている人や、

長期のリハビリのモチベーション維持に苦戦している人、

漠然とした不安や感情に苦しくなっている人にとって

 

ちょっとでも心が元気になったり、

前向きになれるようなことを届けれたらいいなと思います。

 

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